断乳と卒乳の違いは何?断乳・卒乳の時期と進め方
授乳は赤ちゃんとママにとって大切なコミュニケーションの時間でもあります。しかし離乳食が進んでくると付いてまわるのが「断乳」や「卒乳」という言葉。
でも、育児が初めての場合はどのように進めれば良いのか分かりませんよね。そこで今回は、断乳・卒乳の違いと、行う時期や進め方をご紹介します。
断乳と卒乳の違いは?
「断乳」と「卒乳」、同じような言葉のように思えますが、実は異なります。では、その違いはどのようなものでしょうか?
「断乳」…母乳や育児用ミルクを与えることを、親の意志で止めること
「卒乳」…赤ちゃん自身が母乳や育児用ミルクを欲しがらなくなり、赤ちゃんの意志で授乳を卒業すること
どちらも、授乳をやめることは同じです。違いは、やめるきっかけが親主導か、それとも赤ちゃん主導か、ということです。
最近は赤ちゃんの精神面の発達の観点から、無理に断乳せず、赤ちゃんの意思を尊重した「卒乳」が主流になりつつあります。
ただし、一概に断乳が悪いことだとは言えません。乳腺トラブルや体調不良などママ側で授乳が難しい場合、卒乳まで耐える必要はありません。
授乳に対する考え方は、赤ちゃんとその家庭によってさまざまです。周囲を意識し過ぎず、赤ちゃんとママにとってベストなタイミングで授乳を終了するのが理想的でしょう。
断乳・卒乳に適した時期はいつ頃?
断乳・卒乳に適した月齢というのは、特にありません。目安としては、以下の項目のような行動が見られるようになった場合は、断乳・卒乳してもOKといわれています。
・水や麦茶などから水分をしっかりとることができる
・離乳食を1日3食しっかり食べている
・歩けるようになった
・大人の話し掛けに応じるようになった
母乳や育児用ミルクの主な役割は、栄養と水分をとることです。離乳食をしっかり食べたり、授乳以外で水分をとれるようになったりすれば、発育上は断乳・卒乳しても問題ないといえます。
ただし、授乳するという行為自体が赤ちゃんの精神安定剤となっているケースも大いにあります。寝かし付けの際などに赤ちゃんが母乳や育児用ミルクを欲しがる場合は、授乳をしてあげた方が良いでしょう。
断乳派のための理想的な進め方
ここでは断乳を短期間で行う方法と、1カ月ほどかけてじっくり行う方法をご紹介します。
・3日間コース
短期間での断乳には、ママの強い決心が必要です。断乳開始日の朝から、授乳はスパッとやめましょう。
初日~2日目は、赤ちゃんがおっぱいを探したりミルクを欲しがったりします。気を紛らわせるためには、一緒に遊んだり散歩に行ったりすると良いでしょう。夜の寝かし付けの前には、お茶かお水を飲ませましょう。眠りにつくまで時間がかかるかもしれませんが、授乳せずにじっくり見守ります。
3日目くらいになると、赤ちゃんも授乳なしの生活に慣れ始めてきます。食事や水分をしっかり与えながら、授乳のない生活を維持しましょう。
・1カ月間コース
長期間で断乳する場合は、離乳食1食分の量を少しずつ増やし、段階的に進めます。
食後は授乳せずにお茶や水を与えましょう。食事以外の時間におっぱいや育児用ミルクを欲しがったら、少しだけ与えてください。その際に「おっぱい(ミルク)は少しだけだよ」と優しく声をかけてあげると、赤ちゃんも安心します。
授乳が少ない生活に慣れてきたら、次のステップへ。赤ちゃんが欲しがっても授乳せず、お茶やお水を与えたり、おもちゃで気をそらしたりして、赤ちゃんのストレスをためないようにしながら断乳します。
どちらの方法も、スキンシップをとったり優しく声をかけたりして、コミュニケーションをしっかり取ることが大切です。1日ですんなり断乳できる赤ちゃんもいれば、なかなか授乳をやめられない赤ちゃんもいます。
断乳がうまく進まない場合は、赤ちゃんのからだや心がまだ授乳をやめるべきではないというサインを出しているのかもしれません。無理に断乳を進めず、自然に卒乳できるよう見守るのも、1つの方法ではないでしょうか。
卒乳派のための理想的な進め方
卒乳は、赤ちゃんの意思を尊重しながら進める方法です。
離乳食から幼児食へ切り替わり、食事量が増えてくると、自然と母乳を飲む回数や量が減ります。ミルク育児の場合も、月齢が上がってフォローアップミルクや牛乳を飲み始めると、育児用ミルクから自然と卒業します。
赤ちゃんにとって、授乳は精神安定のためのものでもあります。ママやパパ、家族みんなが赤ちゃんとスキンシップを楽しめば、赤ちゃんの心も安定して卒乳につながります。断乳同様、焦らずゆったりとした気持ちで赤ちゃんを見守りましょう。
おわりに
断乳や卒乳は、赤ちゃんにとって大切な成長のステップ。家族みんなで協力しながら、赤ちゃんにとってベストなかたちで授乳から卒業できると良いですね。
断乳も卒乳も、基本的には赤ちゃんの気持ちを大切にしながら進めましょう!