妊娠中のママのストレス、胎児への影響は?
妊娠中は、常にハッピーな気持ちでいられるわけではありません。特に初産の場合は体の大きな変化や出産への不安、産後の新生活についての心配事など、心身ともにデリケートな状態が続きます。
このようなママが抱えるストレスは、お腹の赤ちゃんにどのような影響を与えるのでしょうか?
今回は、妊娠中のママのストレスと胎児への影響についてご紹介します。
妊娠中のストレスは多種多彩
妊娠中は多くのストレスを抱えがちです。まず、体の大きな変化に伴う体調不良によるストレス。そして気分が落ち込みやすくなり、心に感じるストレスなどです。
妊娠中は、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)という2つの女性ホルモンの分泌が増え続けます。その結果、ホルモンバランスが乱れて、腹痛・腰痛・肌荒れなどの不調が出たり、気分の浮き沈みが激しくなったりするのです。
以下に、妊娠中に感じるストレスの代表例をあげてみました。
つわり・腰痛・腹痛・肌荒れなどの妊娠トラブル
妊娠中はつわりで食事がとれなかったり、慢性的な腰痛・腹痛・肌荒れや便秘・抜け毛などに悩まされたりと、不調が起きやすいとき。これらはいずれも、妊娠に伴うホルモン分泌の影響で、一時的なトラブルです。出産後はほとんど改善されます。
体の変化に対するとまどい
初産の方にとって、妊娠中の体重増加やバスト・お腹が大きくなるといった変化は、驚きととまどいを感じるでしょう。スマートな体型にこだわる女性は特に体の大きな変化にストレスを感じるかもしれません。また、太りやすい方は体重管理を負担に感じることも。いずれも赤ちゃんのために必要なことですので、ある程度割り切る気持ちが大切です。
出産や育児への不安
初めての出産や子育ては、想像もつかない未知の世界。雑誌やインターネット、知人からの話などで得た情報に、思わず不安になることもあるでしょう。「赤ちゃんは無事に生まれるか?」「母親として、きちんと育てられるのか?」「夫は協力してくれるだろうか?」といった心配が精神的なストレスになることも少なくありません。でも、これらの不安はプレママなら誰もが抱くものなのです。
上の子どもの“赤ちゃん返り”に対するストレス
下の子どもを妊娠中に、上の子どもが“赤ちゃん返り”をすることがあります。特に、自分が体調不良のときに上の子どもが情緒不安定になってしまうと、ときに大きなストレスを感じることも。
しかし、そのまま感情的に叱ったりしては逆効果です。上の子どもの気持ちを尊重しながら、お腹の赤ちゃんの成長を親子で一緒に楽しむ雰囲気作りを心がけてみましょう。
仕事中や通勤時の心身負担
働くプレママにとって、妊娠中の通勤・仕事はいつも以上にハードに感じます。特に、体を動かしたり人前に出たりする仕事や大きな責任を伴う業務は、強いストレスに。体調次第では、業務を替えてもらったり休暇を取ったりして、無理のない範囲で働きましょう。
上記でご紹介したストレス以外にも、妊娠をきっかけに家族や周囲の人と不和になった、住環境が悪く慢性的に負担を感じている、災害や事故など突発的なアクシデントが起きたなど、人によってストレスの原因は多岐にわたります。
ストレスによる胎児への影響は?
では、これらのストレスは、お腹の赤ちゃんにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
実際は、日常生活の中で一時的に感じるストレスなら、赤ちゃんへの影響もそれほど大きくありません。
ただし、慢性的に負担を感じていたり、一時的なものでも大きなショックを受けたりすれば、赤ちゃんへの影響は少なからずあります。
以下は、ストレスによる主なリスクです。
早産の確率が高くなる
ストレスには血管を収縮させる作用があります。胎児は母体の子宮に流れている血液から栄養を得ていますが、ママが常にストレスフルな状態だと、子宮収縮や血流悪化を起こして栄養不足に。その結果、発育不全による早産や低体重発育の確率が高くなります。
後期流産のリスクが増える
流産の9割近くは妊娠12週目までの妊娠初期に起こりますが、妊娠12~22週目の中期に起こる「後期流産」もあります。
後期流産の原因の多くは母体側にあります。その1つが、過度のストレスや運動など。
ママの仕事が忙しかったり大きな精神負担を受けたりすることで、後期流産発生のリスクが高まります。
赤ちゃんが情緒不安定になりやすい
ママが慢性的なストレスを感じていると、「コルチゾール」と呼ばれる副腎皮質ホルモンが母体で多く分泌され、お腹の赤ちゃんに届きます。すると、神経系の発達に影響を与え、生まれてきた赤ちゃんが情緒不安定やうつ、ADHD(注意欠陥障害)になることも。
おわりに
ここでは妊娠中のママのストレスの原因と、お腹の赤ちゃんへの影響についてご紹介しました。
妊娠中は体調不良や不安定な精神状態が続き、ママの心身はとてもデリケートな状態です。また、最近は妊娠中も働き続ける女性が多く、よりストレスを受けやすい環境にあります。
しかし、現代社会で生きていく中で、ストレスを皆無にするのは困難です。まずは規則正しい生活を心がけて体の調子を整えたり、家族や友だちなど身近な人と話して気分転換したりしてみましょう。そして、ある程度寛容な気持ちになることも大切です。
出産・育児に関する不安は、プレママなら誰もが感じていること。「不安に思うのは当たり前」と思うことで、心の負担も軽くなるのです。
ママ自身に合ったストレスケア方法で、お腹の赤ちゃんを守りましょう!