授乳中は気をつけよう!母乳に良い食べ物・悪い食べ物
初めて育児を経験する新米ママは、授乳期初期に驚くことがあります。それは、たくさん食べてもすぐにお腹が空くということ。
授乳期に必要な1日の総カロリーは、なんと約2,500kcal。でも、だからといって何でも食べて良いわけではありません。ママが食べる物はおっぱいとしてそのまま赤ちゃんの栄養源になるため、良質な母乳を作るためには食べ物に気を使う必要があります。
ここでは、授乳期におすすめの食べ物・控えるべき食べ物をピックアップしてご紹介します。
授乳期にとりたい必須栄養素と主な食べ物
母乳の主成分はママの血液です。つまり、授乳期はたくさんの血液が母乳作りのために使われるため、血液の材料となる必要栄養素を積極的にとらなければなりません。
以下がその栄養素です。
鉄分
鉄分は血液作りに欠かせないミネラル。妊娠・授乳期は特に不足しがちな栄養素で、そのため貧血になる女性が多いのです。なお、鉄分は単品では効率良く摂取できず、ビタミンCや銅、亜鉛、動物性タンパク質などと一緒にとることで体内にきちんと吸収されます。
▼鉄分の含有量が多い食品
ひじき、ほうれん草、小松菜、納豆、豚レバー、鶏レバー、プルーンなど
カルシウム
授乳期のママは母乳作りのために大量のカルシウムを失いやすく、骨や歯がもろくなりがち。以下の食材を積極的にとりましょう。カルシウムも単品での摂取ではなく、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDや骨作りを助けるビタミンKを合わせて。
▼カルシウムの含有量が多い食品
牛乳(1~2杯)、小魚(ししゃも・じゃこなど)、小松菜、モロヘイヤ、厚揚げ、ひじきなど
葉酸
葉酸はビタミンB12と共に赤血球を作る、血液の大事な材料。また、赤ちゃんの成長のもととなる細胞分裂にも必要です。妊娠中は積極的にとることをすすめられていますが、授乳中も欠かせません。ただし、水溶性で熱に弱いため、調理すると成分の50%が失われるデリケートな栄養素です。
▼葉酸の含有量が多い食品
枝豆、納豆、モロヘイヤ、ブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、アスパラガス、春菊、いちごなど
他にも、母乳の材料になる炭水化物(白米など)、母乳の分泌を促す根菜類(れんこん・にんじんなど)や豆乳、サラサラの良質な母乳を作る海藻や魚、青菜(ほうれん草・小松菜など)といった食品も有効です。
メニューは、野菜をたっぷりとれて油の使用が控えめな和食が望ましいでしょう。具だくさんのみそ汁や鍋、湯豆腐、煮物などは栄養豊富な上に体を温めてくれます。
また、授乳期は水分もなるべくとりましょう。できれば、栄養がある温かい飲み物をチョイスして。温かい方が胃腸に優しいため、母乳の出が良くなるからです。青汁や甘酒、温かいハーブティなどは特におすすめ。
授乳期に控えたい主な食べ物
基本的に、ママが口にした物は母乳に反映されるため、普段から「大量摂取を避けた方が良い物」は、授乳期も控えた方が安心です。
特に、以下の物は摂取量に注意しましょう。
油や砂糖を多く使った食べ物
揚げ物や菓子パン、ピザ、ケーキ、チョコレート、スナック菓子などはなるべく控えめに。油分・糖分が多い食品をたくさん食べると、母体の血液がドロドロになって質の悪い母乳を作り上げます。さらに、乳腺が詰まって乳腺炎を引き起こすことも。
体を冷やす食べ物・飲料
生野菜、特にトマトやきゅうり、ナスなどは体を冷やすため控えめに。果物ならスイカ、梨、柿、りんごなどが該当します。飲み物も、水や麦茶は常温か温めた方が安心。なぜなら、体を冷やすと母体の血流が悪くなり、母乳の出が悪くなってしまうからです。
アルコール・カフェイン関連
妊娠中と同様、アルコールやカフェインは赤ちゃんの発育や脳の発達に影響を与えます。
授乳中にお酒を飲むと、ホルモンに影響して母乳の量が減ります。また、アルコールは母体の血中アルコール濃度とほぼ同じ濃度で母乳にもアルコールが入ってしまうため、赤ちゃんへの影響も大。赤ちゃんは肝臓の働きが未熟でアルコールをうまく分解できないため、体内に残ってしまうのです。脳や体の発達の遅れ、そしてひどいときはアルコール中毒の症状が出ることも。本来、授乳中のアルコールは、赤ちゃんの卒乳まで我慢するのがベスト。でも、ストレスがたまるほど我慢できないという場合は、なるべく少量にして、飲んでから数時間は授乳を控えましょう。
授乳中のカフェインは、ママの摂取量の1%程度が母乳に移行します。コーヒーを1日2~3杯飲んでもあまり影響はありませんが、過剰摂取すると赤ちゃんが興奮気味になったり寝付きが悪くなったりすることがあります。なお、カフェインはコーヒーや紅茶などのお茶類だけでなく、コーラやチョコレート、栄養ドリンクなどにも入っているため気をつけて。
ほかにも、生卵(卵は加熱したものがベター)、スパイスや唐辛子などの刺激物、レトルト食品、脂身の多い肉類などは食べ過ぎに注意しましょう。
おわりに
ここでは、授乳期にとるべき食べ物・控えるべき食べ物をご紹介しました。
妊娠中の節制生活から明け、さらに日々の育児でストレスがたまりがちになるため、本来は好きな物を思いっきり食べたいときですよね。でも、授乳期は赤ちゃんを第一に考えて体に良い物をとるのが一番。
しかし、我慢ばかりしていてストレスフルになるのも良くないことです。避けた方が良い食べ物も、少ない量をたまに食べる程度なら大丈夫!毎日の育児が楽しくなるように、上手に調整しながら食事をしましょう。