破水したらどうすれば良い?病院への移動手段や尿漏れとの違い、破水後の注意点など
破水とは、お産が近くなる妊娠後期に、赤ちゃんと羊水を包んでいる卵膜が破れることです。破水によって、羊水が子宮口、膣を経由して体外へ流れ出してしまいます。
陣痛が始まってから起こる破水もありますが、破水が先に起きる場合もめずらしくありません。今回は、破水が起きた際の病院への移動手段や尿漏れとの違い、破水後の注意点など、破水に関する知識をご紹介します。
破水と尿漏れの見分け方
破水は、起こると勢い良く流れ出す場合と、チョロチョロと少しずつ進行する場合(高位破水)があり、どちらも妊娠後期に起こります。病院や産院では、「破水したら連絡をください」と指導されることがほとんどです。
しかし、流れ方や量に個人差があるため、「尿漏れ」との違いを見分けるのが難しい場合もあるでしょう。
ここでは、お手洗いなどで破水と尿漏れを見分けるポイントをご紹介します。
色は?
破水の場合は、透明または薄い乳白色、淡く黄みがかった透明の液体の場合がほとんどです。
尿漏れの場合は、お手洗いで日常的に目にするような尿独特の黄色です。
どちらもサラサラとした液体ですが、色にはっきりと違いがあるため、判断の重要な材料になります。
臭いは?
尿漏れの場合は、尿特有のアンモニア臭がありますが、破水は無臭、もしくは甘酸っぱい臭いや、塩分を含んだような生臭さがあります。
アンモニア臭がなければ、破水と考えて良いでしょう。
流れ出す量や感覚は?
尿漏れの場合、くしゃみをした瞬間やイスから立ち上がった瞬間など、お腹に力がかかった際に出てしまうことがほとんどです。そして、起こった後すぐに自分で意識して流れを止めることができます。
破水は、尿漏れと異なり流出を自分の意思でコントロールできないことが特徴です。そのため、破水は尿漏れより必然的に量が多くなります。
このように、破水や尿漏れにはそれぞれ特徴があります。
「破水かな?」と思ったらすぐにかかりつけの産婦人科に電話し、指示を仰いでください。個人差もあるため、分かりづらくて確信が持てない場合も遠慮せずに連絡しましょう。
破水後の病院への移動手段は?
破水時に、パートナーや家族が自宅にいて自家用車がある場合は、病院まで連れて行ってもらいましょう。病院までの間に何が起こるか分からないため、妊婦さん自身で運転することは絶対に避けましょう。
妊婦さんが座るシートには、大きめのレジャーシートやごみ袋を広げ、その上にバスタオルを敷き、羊水の流出に備えるようにします。
自家用車を持たないご家庭の場合や、破水時に自宅や屋外に1人でいた場合はタクシーを呼びましょう。タクシー会社によっては「陣痛タクシー」という妊婦さん専用のサービスを設けている場合があります。
妊娠後期になったら、近隣のタクシー会社の電話番号をいくつか母子手帳に控えておいたり、陣痛タクシーの事前登録をしたりして、いつ破水や陣痛が来ても良いようにしましょう。
ただし、破水とともに動けなくなるほどの激痛が起こった場合は、救急車を呼ぶ必要があるかもしれません。まずはかかりつけの産婦人科に連絡をして、指示を仰ぎましょう。
お風呂はNG?破水後にやってはいけないことと注意点
妊婦さんは妊娠により免疫力が低下しています。そのため破水をすると、子宮が細菌感染するリスクが高くなるため、以下の行動は控えましょう。
入浴・シャワー
入浴やシャワーをすると、胎児が細菌感染してしまう危険性があります。同様に、トイレの温水洗浄便座も使用してはいけません。
もし入浴中に破水してしまった場合は慌てずに落ち着いて着替えをし、かかりつけの産婦人科へ連絡します。破水が起こったときの状況を伝えて、医師や助産師の指示を仰ぎます。
動き回る
破水した後も、痛みがない場合は病院へ移動するまでに気持ちが落ち着かなくなったり、病院へ行く準備をしたりするために、家の中や屋外をあちこちと動き回ってしまいがち。しかし、体を動かすたびに羊水の流出を促してしまうため、なるべく静かにじっとしていましょう。
入院用の荷物は破水時に持っていけなくても、後からパートナーや家族に入院先まで荷物を持って来てもらえば大丈夫です。赤ちゃんの安全を優先に、とにかく動き回らないことを意識しましょう。
おわりに
破水や陣痛の開始は、残念ながら自分でコントロールできるものではありません。
いつ始まっても慌てないように、正しい知識を持ち、事前の準備をしっかりとしておきましょう。